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2023-04-08

気・血・水の考え漢方|東京都 目黒区

気・血・水(津液)は2000年以上前から研究されています。

気血水の3要素で維持される体

漢方医学の基本となる考え方、体は 気・血・水の3要素が体内を循環することで維持されていると考えられています。

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「気」とは

気とは「元気」の気、「気力」の気、「気合い」の気とも考えることが出来、”気”とは目に見えない生
命エネルギーです。
つまり生体における精神活動・機能活動を「気」と名付けています。
この気は陰陽で言いますと、陽になり、体に異常が起こると虚したり、登ったりします。

「血」・「水」

水は特に水毒、いわゆる浮腫み、肌の乾燥に大変深く関係しております。
「血」と「水」は兄弟のようなもので、いずれも身体を潤し、栄養を与えて体を支える液体で、赤い色をしたものが「血」で、無色の液体が「水」と言われています。
「血」と
「水」は「気」の働きを担って身体内を循環しています。

血は漢方医学では、気とともに大変重要な働きをします。
血は脈管の中を、気の働きによって巡航しています。
正常な状態では「血」が豊かに全身をめぐります。
「血」は栄血ともいわれ、身体に必要な栄養をもたらし、身体の形を作りだしている源です。

◆気:生きていくための活力源で、呼吸・消化吸収・神経系などの全身の機能

◆血:血液を含めた体液の総称で、循環器系・ホルモンなどの分泌系の機能

◆水:水液の総称で、リンパ液・免疫系の機能
「気」は「元気」「気力」の「気」です。 生きていくための生命力とも解釈され、「気」の量が不足すると栄養素が身体に行き渡らなくなる「気虚」という状態になり、生命活動が弱くなり、「気鬱」「気滞」とは期の流れが滞った状態を指し、うつ状態などが現れます。また、気の流れが逆流した状態を「気逆」といいます。

血の異常、血虚に瘀血

血虚は、生体を支える血の量が不足している病態で、その原因としは、血を十分
に作り出せないか、その消耗が激しいために不足してくるからです。

●集中力低下●不眠・睡眠障害●眼精疲労●めまい感●こむらがえり
●過少月経・月経不順●顔色不良●頭髪が抜けやすい
●皮膚の乾燥とあれ、赤ぎれ●爪の異常●知覚障害●腹直筋攣急

瘀血

血の流れがスムーズにゆかず、途中で停滞したり、途絶えてしまう状態
で、停滞した血は血の役割を果たさず、かえって有害なものとなるのです。

●目の周りの色素沈着●顔面の色素沈着●肌の荒れ●唇の暗赤化●歯肉の暗赤化
●舌の暗赤紫化●毛細血管の拡張●皮下溢血●手掌紅斑●臍の周りの圧痛・抵抗
●臍の中心の圧痛・抵抗●下腹の圧痛・抵抗●上腹の圧痛・抵抗●痔●月経障害

全身をめぐる無色の液体で、体液・リンパ液などともいう。
水の異常(水滞)
水が一定の部位に停滞した病態が「水滞」です。その部位の気血のめぐりが妨げら
れ、さまざまな症状が引き起こされます。
水滞の4つのタイプ
全身型
全身一様に停滞したもので、いわゆる水太りの状態。
全身浮腫・下痢めまい・夜間頻尿などが現れる。

胸内型
呼吸器系に水滞が現れたタイプ★水溶性の喀痰や水っぽい鼻汁を出す
呼吸困難におちいりやすく、ひどい場合は胸水のみられることもある
喘息によくあらわれる

心下型
胃から腸にかけて水滞が起こった型
胃のあたりを手でたたくとポチャポチャと水の音が聞こえることが多い
食欲不振・悪心・下痢手足の冷えがみられる。

皮膚・間接型
特に顔面や間接などに水が停滞した病型
朝のこわばりが特徴的にみられる
慢性関節リウマチによく現れる

●身体の重い感じ●拍動性の頭痛●重頭感●車酔いしやすい●
●めまい・めまい感●立ちくらみ●水様の鼻汁●睡液分泌型●泡沫状の喀痰
●悪心・嘔吐●腸のグル音の亢進●朝のこわばり●浮腫傾向・胃部娠水音
●胸水・心のう水・腹水●腹大動脈の拍動が触れる●水瀉性下痢
●尿量減少●多尿

漢方薬での対応、応用

漢方的考えは方は、疲労感は気・血・水の乱れ・不調により起こるものととらえることが出来ます。
漢方では気、血、水が生命活動の基調をなしています。
気のエネルギーによって血も水も動くという考え方で、気に異常があれば血あるいは水にも故障がおこり、血、水に故障があれば気の異常を伴うこともあります。
血、水は体内を循環する血液、体液(水分)を指すと考えられてきて、病気とは気血水の調和の破れた状態と考えられます。
漢方処方では、複数の生薬を配合するケースがほとんどで、気、血、水の3要素に作用する生薬が含まれていることが多いのです。
また、病気や体の不調は(木=肝・火=心・土=脾・金=肺・水=腎)臓器の不調和によってもたらされるととらえています。

特に気は、血・水を統合するエネルギーと考えるので、気のアンバランスを立て直し、気を増強することが非常に重要です。

加えて、血を補うことが必要です。漢方処方での代表的慢性疲労の治療には、気と血を補う両方の作用を持つ薬、気血両虚剤用いることになります。
最もよく使われる補剤が、補中益気湯・十全大補湯です。

これには、人参、黄耆など10種類の生薬が配合されています。主に気を補う薬で、気を増すとともに胃腸も丈夫にします。
江戸時代、津田玄仙という漢方医が、補中益気湯の適用として、次の8つの症状を取り上げています。

1) 手足がだるくてしかたがない2) 声がかすれる 3) 目に力がない 4) 口の中に白いあぶくがたまり、口角に泡が出る 5) ごちそうを食べても味がわからない 6) 冷たい飲食物を極端に嫌い、温かいものを好む
7) へそより上部に動悸がある8) 脈に力がない

体力が消耗していて、口の中が渇き、ジワッと汗をかいて、冷え性のときは、柴胡桂枝乾姜湯 が適しています。
みずおちがつかえ、口の中に薄いツバがたまりやすく、口角からツバが出て、手足が冷え、胃腸が弱くて下痢をするタイプには、人参養栄湯が適しています。
以上、補中益気湯・十全大補湯・柴胡桂枝乾姜湯・人参養栄湯の4つが、慢性的な疲労に用いる主な漢方薬です。
また、小児期から胃腸が弱く虚弱なタイプには小建中湯・桂枝湯を、また、高齢の人でおなかがやや張って、おなかに力がなく、ガスが出るタイプには大建中湯が適応します。

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