痔核(いぼ痔)に効く漢方薬乙字湯
生薬は、当帰、柴胡、黄芩、甘草、升麻、大黄の6つで、柴胡と升麻が痔疾によいとされ、更に駆瘀血薬(毛細血管鬱滞解消)としての当帰と大黄が、さらに抗炎症作用のある黄芩が配合されています。
柴胡、升麻、当帰、甘草の組み合わせは、「補剤」の代表処方である補中益気湯にも見られ、補中益気湯もまた虚証の脱肛や痔疾にも用いられることがあり、構成生薬を乙字湯と補中益気湯と共通とした作用が存在することがわかります。
升麻生薬は、サラシナショウマの根茎を用い、効能として昇堤作用=(上に持ち上げる)や発汗作用をもち、さらに透疹を促す作用をもつと薬物書には書かれています。
麻疹や蕁麻疹などの初期には、発汗作用とともに発疹を促し、それにより毒素を体外に排出すると説明されます。
この「発疹を促す」作用が透疹作用です。また、昇堤作用というのは、「下がったものを上にもち上げる」作用のことで、言わば「気」が虚して「下がってしまった」ものに対して、「陽気」を巡らせてもち上げ、例えば脱肛や子宮下垂などの症状を治すことを言います。生薬の不思議な力を感じますよね。 乙字湯は、軽症の痔核の疼痛、痔出血、肛門裂傷、初期で軽症の脱肛に用いられますが、少量の大黄を含むため、服用後に腹痛を伴う下痢を起こす方には不向きとされています。もしも、便秘が強い場合には、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)や麻子仁丸(ましにんがん)などの処方を併用するとよいでしょう。
内痔核(脱肛)と外痔核に分かれます。
内痔核は、肛門と直腸の間あたりにできるもので、進行がすすむと肛門からはみ出してきます。外痔核は、肛門のふち辺りにできるため、擦れてかなりの痛みを伴います。
排便時などに肛門の皮が切れて出血や痛みを伴う症状。
切れ痔(裂肛)・切れ痔の痛みに効く漢方薬
芎帰膠艾湯
金匱要略記載出血(切痔(裂肛・不正出血)や貧血などに使用され、不正出血や痔出血・切れ痔痔、切痔(裂肛)・血尿、生理不順・流産癖・腎出血などに使用されています。
漢方的考え方は血虚(貧血傾向・眼精疲労・生理不順など)の出血に使用される代表格で、顔色が悪くつやがない、カサカサ肌・四肢のしびれ・筋肉のひきつり・目のかすみや眼精疲労・頭のふらつきなどの血虚症状を伴い、切れ痔の痛みや切れ痔の出血にも効果があります
