酒さ様皮膚炎・酒さ・赤ら顔に効く漢方∣東京都目黒区の漢方薬局 桂林堂薬局
酒さ・酒さ様皮膚炎とは
もともと赤ら顔で、顔のほてりや発赤を繰り返しやすい体質のある人が、注意しなければならないステロイドを赤ら顔のために顔にステロイドの軟膏を連用することにより発症します。
化粧品をはじめ、シャンプーやリンスでかぶれやすい人で、顔にステロイド軟膏を塗った場合に副作用として生じます。「酒さ」とは、鼻を中心として両頬が赤くなる皮膚病で、その結果、酒さ様皮膚炎になります。
酒さ様皮膚炎は、20歳ぐらいから中年にかけての女性に多い皮膚炎ですが、化粧品によるかぶれ。それをステロイド軟膏で治療しているうちに起こってくるケースが多い皮膚病です。
ステロイド軟膏剤を顔に長く使用すると、リバンドが起こり、顔の毛細血管が拡張して酒さ・赤ら顔になるほか、痒みを訴える人やニキビ状のぶつぶつができたりします。
酒さ様皮膚炎症状の現れ方・起こり方
副腎皮質ステロイド薬を塗った部位に、毛細血管の拡張、丘疹(きゅうしん)、膿疱(のうほう)が現れます。
塗り薬を塗るのを中止すると、数日後に紅斑と浮腫性(ふしゅせい)の腫れが生じます
痒みはあっても軽度で、強いほてりや熱感を伴います。
酒さ様皮膚炎の症状の軽快までには数カ月から1年位かかり、漢方治療の時にはステロイドの塗り薬の中止が不可欠ですが、ステロイドをやめるとリバンドが起こり症状が一時的にかなり悪化します。
但し、強いステロイド軟膏を長期に利用した方ほど、漢方薬での治療も時間がかかると考えられています。
なぜ顔にステロイドを使うと酒さ様皮膚炎が起こるのか?
ステロイド外用薬は、炎症やかゆみを抑える効果があるため、一時的には肌の赤みや腫れが落ち着くことがあります。しかし、顔の皮膚は体の中でも特に薄く、刺激に敏感な部位です。そのような繊細な部位に長期間ステロイドを塗り続けると、皮膚のバリア機能が弱まり、毛細血管が拡張しやすくなったり、皮膚の再生リズムが乱れたりすることがあります。
さらに、使い続けることで薬に対する依存のような状態が生まれ、薬をやめたとたんに炎症が強く出る「リバウンド現象」が起こることもあります。こうした背景が重なると、顔の赤みやほてりが慢性化し、ニキビに似たブツブツが現れる酒さ様皮膚炎へとつながるのです。
酒さ様皮膚炎が起こりやすい人の特徴
酒さ様皮膚炎は、もともと肌が敏感で赤ら顔の人や、スキンケア製品にかぶれやすい体質を持っている人に起こりやすい傾向があります。特に、市販の化粧品や洗顔料などでヒリつきや赤みを感じやすい方は注意が必要です。
「酒さ」とは鼻を中心として両頬が赤くなる皮膚病で、そのように肌が敏感で赤ら顔になりやすい人が、顔にステロイド軟膏を長期間塗り続けた結果として酒さ様皮膚炎を発症します。
また、日頃から肌の不調に対して自己判断でステロイド外用薬を使い続けている場合も、症状が悪化するリスクが高くなります。顔に慢性的な赤みやヒリヒリ感を感じる方は、市販薬で対応せず、漢方専門薬局や皮膚科専門医の診察を受けることが大切です。
酒さ様皮膚炎の対処法とスキンケアの注意点
酒さ様皮膚炎は、皮膚のバリア機能が弱くなっている状態のため、まずは肌への刺激を最小限に抑えることが基本です。以下の点に注意して肌への負担を減らし、日々のケアを見直すようにしましょう。
- 顔への刺激をできるだけ減らす
肌に刺激を与える行為は、酒さ様皮膚炎の悪化につながる可能性があります。洗顔やスキンケアの際は、こすらず、優しく包み込むように行うことがポイントです。タオルで拭くときも、軽く押さえるようにして水分を取るようにしましょう。
- 洗顔料や化粧品の選び方
アルコールや香料、界面活性剤などの刺激成分が少ないシンプルな処方のスキンケアアイテムを選びましょう。肌に合うかどうかは個人差があるため、使い始めはパッチテストを行うなど慎重に試すことが大切です。
- 紫外線対策はやさしく行う
紫外線は赤みや炎症を悪化させる原因のひとつです。外出時は日焼け止めや帽子、日傘などで物理的に紫外線を避ける工夫をするとよいでしょう。肌に直接塗るものは、ノンケミカル処方(紫外線吸収剤不使用)の低刺激な日焼け止めを選ぶことがおすすめです。
- 急に薬をやめず、医師の指導を受ける
これまでステロイド外用薬を使用してきた場合、急に使用を中止すると炎症が一時的に悪化することがあります。使用の中止や変更は必ず専門の医療機関に相談し、段階的に対応するのが望ましいです。
- 生活習慣の見直しも大切
ストレスや睡眠不足、食生活の乱れも肌に影響を与える要因となります。十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事、適度な運動など、日常生活を整えることも肌の健やかさを保つために重要です。
酒さ・赤ら顔や、酒さ様皮膚炎に漢方薬で対応
化粧品によるかぶれや、ステロイド軟膏を長期間使用後の皮膚病治療が背景に酒さ・赤ら顔や酒さ様皮膚炎は、漢方での対応は主に清熱瀉火・清熱解毒、清熱利湿という漢方医学的治療法を行います。
清熱解毒と清熱瀉火作用は、体の上半身に熱がこもった場合に効果があり、熱がこもった状態の酒さ・赤ら顔や、ステロイド軟膏使用によるリバンドで起こる酒さ様皮膚炎に炎症を抑える効果があり、顔の赤みやほてりを改善します
清熱利湿作用は、赤ら顔や酒さ様皮膚炎で起こった皮膚の腫れやブツブツを利湿作用で顔の腫れを抑えます
酒さ様皮膚炎や酒さ・赤ら顔の、日常生活での注意点は
香辛料・刺激物やアルコールや脂っこい食事を避けるなどの刺激物を避けるんど
飲酒を控える・化粧品は、腕で使い試しをしてから用いるといったケアです。
漢方薬での対応は清熱解毒瀉火
【黄連解毒湯】
中国の臨床医学:書外台秘要に記載
成分:黄連・黄芩・黄柏・山梔子
のぼせ気味で赤ら顔、イライラする傾向の方の、胃炎・口内炎・二日酔い
不眠症・ノイローゼ・自律神経失調症などの神経症に幅広く応用されています。
漢方的な考え方
治療法は心火旺・肝胆火旺・清熱解毒で、上半身の余分な熱を取り去り、酒さ様皮膚炎・酒さ・赤ら顔・アトピー性皮膚炎・精神不安・赤面症・多汗症・鼻血・ニキビ・慢性肝炎などに使用されています。
清上防風湯
ニキビ治療は漢方の中でも効きやすいタイプの皮膚病のひとつです。
また、漢方薬の場合、ニキビに抗生剤を使用する新薬と違い、副作用もほとんど心配いりません。
万病回春記載
主に男性に多い、酒さ・赤ら顔や赤く腫れて化膿しやすいニキビタイプに使用されていますが、最近では女性の中にもニキビに清上防風湯を使う方が増えています。
この清上防風湯タイプのニキビは、顔のほか、背中にもできているケースが多く、ニキビが潰れて下着に血が付いている場合もあります。
清上防風湯単独で使用する場合と、ニキビの状態により、他の漢方処方と併用する場合もあります。
清上防風湯の漢方的考え方
治療法は、清熱解毒・去風という治療方針。
成分:防風・薄荷・荊芥・連翹・黄連・黄芩・山梔子・桔梗・川芎・百芷・枳実・甘草
中医学解説:袪風、清熱解毒、止痛
上焦の風熱の皮疹
身体上部(特に顔面)の発疹・熱感・かゆみ・疼痛・化膿傾向をもつ皮疹で、目の充血・顔面紅潮・口渇などを伴うことがよくあります。
顔の熱や炎症をとり、また皮膚病の病因を発散させる働きがあります。
そのような作用から、酒さ様皮膚炎・酒さ・赤ら顔・皮膚病、ニキビや酒さに効果があります。
桂枝茯苓丸はおけつ薬の代表的漢方薬
2000年前の医学書:金匱要略記載
「瘀血(血液の滞り)には桂枝茯苓丸」というくらい、瘀血の代表格的漢方処方です。
血行をよくして熱のバランスを整えることで、のぼせや冷えを改善し、子宮などの炎症を鎮めます。
ホルモンバランスを整える効果も期待でき、生理不順や生理痛・頭痛・めまい・肩こり・のぼせ・足の冷えなどを改善し、酒さ様皮膚炎・酒さ・赤ら顔・更年期障害・不妊症・子宮筋腫・ニキビ・シミ・痔・瘀血(血行不良)が原因の病気・症状を改善します。
不妊症の場合、排卵があっても黄体機能が悪いと着床せず妊娠できないケース等に温経湯・当帰芍薬散とともに使用されています。
荊芥連翹湯
荊艾連翹湯は万病回春記載の処方構成を独自にアレンジ
日本の一貫堂処方で、耳・鼻・咽喉・肺の慢性炎症を目的ですが、この酒さ様皮膚炎治療には大変役立ちます。
体の熱や腫れをひき、病状を発散させ、皮膚の腫れや発赤をしずめ、治りをよくします。
また、補血作用があり、血液循環をよくします。
荊芥連翹湯は、清熱瀉火の黄連解毒湯と補血剤の四物湯を基本に、袪風の薄荷・柴胡・連翹・荊芥・防風・自正及び排膿の枳実・桔梗を中心に構成されています。
成分:黄ごん・黄柏・黄連・桔梗・枳実・荊芥・柴胡・山梔子・地黄・芍薬・川きゅう・当帰・薄荷・白し・防風・連翹・甘草
利用応用:酒さ様皮膚炎・酒さ・赤ら顔・蓄膿症・慢性鼻炎・慢性皮膚炎・口内炎・アトピー性皮膚炎・化膿性の皮膚病・ニキビ・中耳炎・扁桃腺などに利用されています。
加味逍遥散
受験や就職・転職などが原因によるストレスが悪影響を及ぼして酒さ様皮膚炎やニキビ、アトピー性皮膚炎を引き起こすタイプに適応し、上半身にこもった熱感を下げ、酒さ様皮膚炎や酒さ、赤ら顔にサポートします。
酒さ様皮膚炎・酒さ・赤ら顔の漢方薬改善例
酒さ様皮膚炎の治療で病院通院中の40代女性の漢方薬改善例です。
化粧カブレが原因なのかさだけではないのですが、皮膚のトラブルにより皮膚科で抗アレルギー剤に、ステロイド軟膏を月に2.3本以上を6カ月以上使用していた女性です。
これ以上顔にステロイドを使用するのが不安になり、漢方薬を使用しようと決断。
酒さ様皮膚炎の状態は、「顎に鼻の周りと両頬が赤くなり、皮膚表面は乾燥していてつっぱている」と訴えていました。
(その他、子供の受験ストレスにより肝気鬱結・肝火上炎の症状があり。) また、鼻の周りは漢方医学の理論では陽明病というカテゴリーのラインにあります。
この方の酒さ様皮膚炎に対する漢方薬での対応は下記の通りです。
①清熱解毒
②肝火上炎は疎肝理気という治療法
というわけで、この方は桂林堂薬局で漢方薬を服用し始めて半年ほどで、ほとんど酒さ様皮膚炎の症状がなくなりました。
参考:肝火上炎の状態
のぼせやいらいら・ストレスが続いて体の上半身を鬱血させ、頭部や眼、胸脇部などの部分で肝経や胆経が通る個所に熱感や炎症が繰り返して治りにくい状態のこといいます。
具体的には、高血圧症や自律神経失調症、更年期障害、耳の病、出血素因、眼の病などによくみられます。
口内炎、中耳や外耳の炎症、結膜炎・赤面などの炎症があるものを応用範囲を広げ、肝火上炎と弁証することもあります。
酒さ様皮膚炎・酒さ・赤ら顔・煩躁(はんそう)・怒りっぽい・頭痛(脹痛)・めまいやフワフワ感・顔面紅潮・脇肋部灼痛・不眠・耳鳴・目が充血・口が苦い・月経過多(鮮紅色)・衄血(じくけつ・はなぢ)・便秘・尿の色が濃い等の症状が現れ易くなります。
酒さ様皮膚炎・酒さ・赤ら顔の漢方薬/ 東京都目黒区の漢方薬局 桂林堂薬局