中医学の医学理論とは?
中医学と約1800年前の医学書「傷寒雑病論」
漢方理論である中医学は、民間療法・植物療法と違い、病気や症状について経験的に理論化された考え方をもって治療するという点です。
人の体質や病態を、陰陽五行論や臓腑弁証、六経弁証に気・ 血 ・水といった中医学の理論を使いながら病気の解決をします。約1800年前の医学書「傷寒雑病論」には、「傷寒論」と「金匱要略」という2つの書に、それらを含めた治療法が記載されています。
中医学と民間療法
アロエやセンブリなどは民間療法と呼ばれ、欧州で主に行われている生薬による治療方法も「植物療法」と呼ばれて、中医学とは区別されています。
中医学を3年間勉強後、中目黒で開業
桂林堂薬局の薬局長:永山は3年間中医学を勉強して漢方理論である中医学を学びました。中医学の理論を利用しながらお客様に漢方薬を選ぶのが仕事です。中医学は民間療法や植物療法と違って、病気や患者さんについて経験的に理論化された考え方をもって治療するという点が違います。
人の体質や病態を、陰陽五行論や臓腑弁証、六経弁証に気 血 水といった中医学の理論を使いながらお客様の病気を解決をしていきます。
中医学の場合、現代医学的な病名に対応するのではありません。漢方理論の五臓六腑や三陰三陽、陰陽虚実、気・血・水などを利用して、心気虚・脾虚・肝うつ脾虚・気血両虚・腎陽虚といった中医学独自のカテゴリー分けをしながら病気を治すよう努めます。
有名な中医学は問診が最重要
中医学では体質や症状といった「証」が最重要であり、それぞれの患者さんに対応する治療が問診により決定されます。
また、漢方は生薬の組み合わせに法則があり、昔から一定の生薬の組み合わせによって作られている処方と、経験的に幾つかの組み合わせによって作られる2パターンがあります。
約1800年前に考案された最古の漢方処方で例を上げますと、風邪・感冒・インフルエンザ・肩こり・関節痛など使われる有名な葛根湯という処方があります。これは紀元2世紀頃の漢の時代に書かれた「傷寒論」という文献に生薬の組み合わせが出ているものです。葛根湯は処方構成の組み合わせをを変えると効かなくなったり、違う病態に効くようになったりします。しかし、約1800年の間この組み合わせの原則を崩すことなく、葛根湯は現在でも有効な薬として使われています。
漢方薬局での問診の重要性|日々頑張っている漢方薬局
病名漢方にならないために漢方薬局は日々研究しています。—約2000~3000年前に考案された漢方医学の診断法は、西洋医学とは全く異なります。
西洋医学の診断は、病名を確定してから治療法を決定していきますが、漢方医学では「証」=患者さんの訴えている症状などの詳細な情報を基に漢方処方を決定していきます。
最近、「病名漢方」ともいう、漢方理論を無視する傾向にあり、“証”を無視して間違った漢方処方の選択が横行しています。その病名漢方のおかげで、せっかくの漢方薬も実力を発揮できず、効かないと誤解を受けることがあります。
副作用など色々な弊害が報告されていますが、これは副作用ではなく、漢方薬の使い方を間違っている場合が多いのです。
漢方には望診(ボウシン)、聞診(ブンシン)、問診(モンシン)、切診(脈診)の4つの診察方があります。
特に、漢方薬局では問診が7.8割のウェーエトを占めている関係上、良い漢方薬局になるには問診の上達が必要不可欠です。ちなみに舌診というものもありますが、舌診と脈診は分からないときに参考にします。
※脈診は医療行為になり、漢方薬局では禁止行為です。
漢方薬局の桂林堂薬局は東京都目黒区中目黒で開業して35年以上の歴史があります
食品・医薬品の科学物質氾濫の今、最近見直されつつあるのが漢方薬などを利用した自然志向への回帰です。
今、漢方は若い方にも認知されつつあり、それにより婦人科以外の漢方処方も拡大しております。
漢方薬局:桂林堂薬局は中目黒周辺以外にも、都立大や自由が丘、更に神奈川や埼玉方面からの来店も多くなっています。カウンセリングも含め、病気に対し適切な処方を選ぶよう日々努めています。
六淫—-風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・熱(火)邪
中医学では、病気の原因を外因、内因、不内外因の三種に分け、外部(主に気候の変化)から発病させる外因を六淫(りくいん)といい、人間は季節により風・寒・暑・湿・燥(そう)、火(か)という六つの気候の変化を受けています。
正常の場合を六気(ろっき)といいますが、気候変動体内や、体のバランスが崩れたときなど、六淫:風・寒・暑・湿・燥・火(熱)邪に変化して人体に障害を与えます。単独で疾病を起こす場合と、複数が連動して起こす場合があります。
神経痛やリウマチなどの痛みの病気は風邪・寒邪・暑邪が連動して病気を引き起こすのだと考えられています。
また、人減が生きて行く過程で自然界にある六淫:風・寒・暑・湿・燥・火(熱)により良い影響も受けています。
今、なぜ漢方薬が再評価されているのでしょうか
日本国内では70%の医師が漢方薬を使用したという調査があります。また患者さんの方でも漢方治療を求める動きが大きくなっています。
漢方治療が広まってきた要因には、二つのことが考えられます。一つは、漢方薬に健康保険が使えるようになったことが挙げられます。またもう一つは日本の疾病構造の変化が挙げられます。つまり高血圧・糖尿病などが増えてきましたが、これらの病気には漢方治療が有効であることが多いということです。
高齢者の病気では個々の患者さんの要求に対応しきれないケースが多くあります。この点で漢方治療は有効性が高いといえます。高齢化が進む日本では、漢方治療の必要性が増していくでしょう。さらに、欧米でも漢方医学に対する関心が高くなっています。
漢方薬局での漢方薬治療が有効な病気が拡大中
一般的に漢方治療が得意としているのは、体全体のバランスを整えて、自律神経失調症などのような機能的な病気です。しかし、西洋薬で副作用が出やすい患者さん、心身共に虚弱で、副作用の強い西洋医学的治療に耐えきれない患者さんなどは、副作用が少なく、体調を整える作用に優れた漢方薬を利用した漢方治療がマッチしています。
実際、漢方薬局での相談者も長年の病気や難病などで苦しんでいる方は大変多く、漢方薬局の店主達は中医学だけでなく、西洋医学も研究し、日々相談内容からも病気を学んでいる方がほとんどです。それらの病気を詳しく調べ、どのように漢方処方を応用すればいいのか日々研究を重ねており、難病への漢方薬の応用も拡大中です。
また漢方治療が得意な領域に、虚弱者の方で「風邪をひきやすい」「疲れやすく仕事ができない」というようなものがあります。これらの方は西洋医学的には治療の対象にならないことがあり、困っている方が多いものです。
以下、漢方治療が得意としている病名を列挙しましょう。
- インフルエンザ ・気管支炎(抗生物質と併用が必要なことがあります)・気管支炎・低血圧症・高血圧・脳梗塞・動脈硬化
- 口内炎・舌痛症 ・慢性胃炎・急性胃炎・気管支喘息・過敏症腸症候群・便秘・慢性肝炎・糖尿病・高脂血症・腎臓病
- 常習頭痛・偏頭痛・筋緊張性頭痛・不眠症・自律神経失調症・更年期障害・冷え性・膠原病・ネフローゼ・リウマチ
- 手術後の体力回復など
この他にも漢方治療を用いた方が良いと考えている病気は多数ありますので、お問い合わせ下さい。
また高血圧症は、漢方薬だけで血圧を下げることは困難なことがありますが、随伴しているような症状には漢方治療が有効です。体調の調節を行うことで血圧を下げるのは得意ではありませんが、合併症には有効なことが多いです。外科的治療が必要な場合には漢方治療だけで治療を行うことは現実的ではありませんし、慢性疾患の治療に漢方治療を併用しないことも現実的ではなくなっております。
現代の医療では西洋医学的な治療と漢方薬をうまく組み合わせて使うことが優れた方法です。
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