EditRegion3

東洋医学では、胃腸のことを脾臓といい、脾臓の不調脾虚

脾臓の漢方薬

脾臓の働き----体力強化・消化吸収・造血機能などいろいろあります。

「脾は運化(うんか)を主る」

いわゆる、大まかには、消化器官内で起こる消化・吸収のことです。

飲食物を消化・吸収させると言った現代医学の消化器系とよく似た働きを持ちます。
脾の運化機能が低下すると、食欲がなくなったり、食後に腹部膨満感が現れやすくなります。

→脾虚 (体力低下・食欲不振・疲れやすいなど)
飲食物を意味する水穀(すいこく)の水の運化が低下すれば、便が柔らかくなり軟便や下痢になります。これも脾虚です。 

また、女性に多いのですが、便秘に間違いやすい症状で排便時最初便がかたく、かたい便が出た後、軟便や下痢になるものもあります。
これも、脾の機能が低下した「脾気虚(ひききょ)」の症状です。

「脾は気血生化(きけつせいか)の源」


飲食物がうまく消化吸収されなければ、エネルギー不足で疲れやすく、無気力になります。
脾は血も生むので、貧血のときはとにかく食べないといけません。

→現代学でも、胃壁が損傷すると鉄分吸収が低下し、鉄欠乏症貧血になるといわれています。
その食べ方も、脾を傷めないよう、冷たいものや生ものは控えるようにします。脾臓は陽虚(冷え)を嫌います。

生野菜なんか身体に良さそうですが、実は身体に余分な水分をため込んでしまいます。
この余分な水は、中医学では「湿(しつ)」と呼ばれ、「脾は湿を悪む」といって、脾に湿がたまると、脾(胃腸)の機能は低下してしまいます。
また、、「脾は湿を悪む」ということは、気候の湿気も嫌うことになり、湿気の多い6.7月に、胃腸の調子が悪くというのはこの理屈から説明できます。


「脾は肌肉(きにく)と四枝(しし)を主る」という理屈


手足がだるく力が入らないのは脾の機能が低下しているためです。
手や足を長く上にあげておくことができないなど、重力に逆らえないのです。
内臓も同じで重力に逆らえないと、胃下垂、子宮脱、脱肛、遊走腎になったり、頻繁に便意をもよおしたりします。

これは、最重要!「中気下陥(ちゅうきげかん)」といって、「脾は昇清(しょうせい)を主る」機能が低下したために起こる症状です。

「昇清」とは脾で得た精微物質(栄養やエネルギー)を上部に行きわたらせるという意味もあります。
ですから、身体の上部である頭部に精微物質が行きわたらないとめまいが生じることもあります。
このように、脾は飲食物を身体に必要な物質やエネルギーに換える機能を持つことがわかると思います。


「脾は統血(とうけつ)を主る」という理屈


これは、血管から血液が漏れ出るのを防いでいるという、血管内の血液の統制を意味します。

脾の統血作用が低下することを「脾不統血(ひふとうけつ)」といい、血便・血尿・皮下出血・崩漏(ほうろう:不正性器出血あるいは生理が1週間以上ダラダラ続く)などの症状が出ます。

生命を維持するエネルギーを「精(せい)」といいますが、親から受け継いだ「先天の精」とそれを維持していくのに飲食物から得られる「後天の精」があります。

 

脾虚とは--------簡単に言ってしまえば胃腸が弱いということです--------------
脾虚(消化管機能低下・体力低下・食欲不振・お腹が冷える・下痢しやすい・疲れやすい・肥りにくい・目に力がないなど)に使用する漢方薬など--------------陰陽五行論(肝=木・心=火・脾=土・肺=金・腎=水)思想のうち、脾臓の気が虚(弱くなった)した状態のことを指し、一般的には消化不良や食欲の不振などの胃腸障害に、疲れやすい・体力の低下といった全身症状を伴うことが多くなります。

 

陰陽五行論から五臓六腑の考え方

漢方医学で考える脾臓の働きは、水穀(2,3000年前の考え方で、いわゆる主食と考えた方が無難)の“気”を取り込む働きがあり、生命活動に必要物質(精微=血液)を作り出し、体の隅々にまで分配する働きを持つといわれています。

このため「後天之本」・「気血生化之源」ともいわれ、その性質は動くことを好み、五行より太陰湿土に属すことから、湿気・濡れたりすることを嫌います。

又、五行論から木克土(木=肝=精神的ストレスを受けやすい)克-----優位に立つ(土=脾臓)により、精神的ストレスなどで消化不良・腹痛(胃炎や胃潰瘍など)・下痢(例えば過敏性大腸炎など)・食欲不振・貧血症状といった諸症状が起こり易くなります。

ストレス性の胃腸炎など、2010年現代にも当てはまることも多く、驚かされます。

 

脾虚 (食欲不振・疲れやすいなど)に効果的な漢方処方

安中散:安中散は、漢方の古典といわれる中国の医書『和剤局方収載。
日本漢方の効能・・・ 腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛または腹痛があって、ときに胸やけ、げっふ、食欲不振、はきけなどを伴う次の轄症:神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニー・逆流性食道炎等に応用可能です。
温中散寒・止痛・止嘔
胃寒の腹痛に用います。冷えや寒冷の飲食物などで発生する腹痛(とくに上腹部痛)・腹部膨満・悪心・嘔吐・呑酸などの症状に使用します。脇痛・月経痛・下腹部痛などをともなうこともあります。舌質はやや淡紅・舌苔は薄白

六君子湯:元来、胃腸虚弱、脾虚と痰飲の証が著明。

人参湯:心下痞(自覚的なつかえ)がありますが、より裏寒が著明です。

半夏瀉心湯は、裏熱証に使用します。


脾臓の漢方薬/ 東京都目黒区の漢方薬局 桂林堂薬局

漢方薬局東京都で漢方歴30年|漢方薬相談は目黒区中目黒の桂林堂へ