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2019-02-06

漢方免疫力応用:十全大補湯の抗ガン作用

漢方薬免疫力応用:十全大補湯の抗ガン作用

十全大補湯

1151年、和剤局方記載
体力気力を補い、元気を取り戻すのを、役立つように構成されています。寒がり、または冷え性で貧血気味、顔色悪く、疲労衰弱がひどいとき、あるいわ病中・病後・手術後などで体力・気力・食欲が低下または、弱っている方・肥れない方などに適しています。

漢方的考え方は、気血両虚で、貧血・慢性肝炎・自律神経失調症・ガン治療の補助(制ガン作用・延命効果・免疫賦活・抗がん剤や放射線の副作用軽減・痛みを和らげる効果・回復促進)・体力低下・全身衰弱・白血病・脱肛・痔ろう・胃下垂・低血圧症・甲状腺機能低下症などに応用されています。

 

気血両虚剤、十全大補湯の抗ガン作用

十全大補湯それ自身に、がんの発生や再発の予防する効果や、転移を抑制する効果があることが報告され、富山医科薬科大学和漢薬研究所のグループは、十全大補湯ががん細胞の悪性化進展や転移を抑制することを報告しています。

がん細胞は増殖していく過程で様々な因子の影響を受け、より悪性度の高いがん細胞集団へと変化し、転移するようになります。マウスを用いた実験で、十全大補湯に、がん細胞の悪性化進展や転移を抑えるという結果を、済木教授らは複数の実験モデルを用いて示しています。
さらに、マウスの大腸癌細胞を用いた肝転移の実験系において、十全大補湯が癌の転移を抑制することも報告しています。

十全大補湯の生物学的活性については多くの報告があり、マクロファージの活性化、抗体産生増強、種々のサイトカイン産生誘導などの免疫増強作用、抗癌剤や放射線治療による骨髄における造血機能障害や免疫抑制に対する保護作用などが証明されています。

病後の体カ低下、疲労倦怠、食欲不振、制癌剤や放射線治療の副作用の軽減、患者の体調改善などを主な目的として、がん治療の補助療法としてもよく使用されています。

抗がん剤治療のとき、十全大補湯を基本にして、解毒能力作用がある駆お血薬(桃仁、牡丹皮、紅花、莪朮、三稜、欝金など)や清熱解毒薬(半枝蓮、白花蛇舌草、蒲公英、板藍根など)を加えると、さらに抗がん剤の副作用緩和や抗腫瘍効果増強の効き目を高めると確認されています。

抗がん剤・放射線などの副作用軽減

抗がん剤・放射線などの副作用軽減などにも利用のほか、貧血症・慢性肝炎・慢性腎炎・その他の慢性疾患・産後・出血のあと・肉芽形成不全・自律神経失調症などで、気血両虚を呈するもの。これに準じ、虚寒の症候をともなうものに使用します。病中・病後・術後などで、体力気力、食欲減退した方などに適応します。

放射線照射マウスに対して十全大補湯が造血幹細胞の活性

放射線照射マウスに対して十全大補湯が多能性造血幹細胞の活性を促進することが報告され、生体防御に関与する血球系の細胞は、多能性造血幹細胞から、恒常性を維持しながら供給されています。

したがって多能性造血幹細胞活性の増強は、生体防御に関与しているT細胞・B細胞・NK細胞・マクロファージ・顆粒球・血小板などの活性化にも間接的につながり、十全大補湯による骨髄機能に対する種々の効果を説明することができるのです。

応用
貧血症・慢性肝炎・慢性腎炎・その他の慢性疾患・産後・出血のあと・肉芽形成不全・自律神経失調症などで、気血両虚を呈するもの。これに準じ、虚寒の症候をともなうものに使用します。

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